「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 / 千葉市美術館


牛腸茂雄さんの写真は、本人がいないみたいに揺れていて、スナップってものでも、どこかスナップのジャンルじゃないって感じで、あー、これがコンポラとなる所以?というか、なんか、違うんですね。ここにいたのかいなかったのか、わからない。撮った人がまるでいないみたいだから、なぜこの写真が撮れたのか、カメラだけが宙に浮いてシャッターが押されたような不思議に感じる…ってのは、若くして逝去しているという言葉から勝手に私がそう見ているのか、それとも違うのか。何も知らせずに誰かに見せての感想を聞きたくなりました。映像もそうですね、もうこの世にいない感じを、いつも感じました。


阿部展也の写真も初めて見る作家性で、すごい面白かった。何を見てるんだろう。。。そして、やっぱり大辻清治との布を顔に被せての女性のヌードは、もうスゴい痺れました。なんでしょうか。あれ。瀧口修造によって日本へと広まった頃のシュールレアリズムの鮮度の良さみたいなのと、元々持っている日本の根底の美が合わさったみたいな。数日違っても、どちらも古くなってしまうような、怖いくらいな偶然の緊張があって、凄まじかったです。





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