"傷をつけること" で "傷つくこと”

 古いものだと、傷がついている方が逆に良いって思ったりすることがある。古い写真を見ている時に新品よりも「いいなぁ」と思いが深まる感じと同じで、古道具屋さんとかに行って見つける道具に傷がついていると「あっ、いいなぁ」と思うんです。

ですが、古道具屋さんとかで買ってきたそもそも傷ついているようなものに、自分で傷を新しくつけてしまった時に「あっ・・・傷づいた。」と、傷があるということよりも、自分で傷つけてしまったショックの心身的な傷が、ものすごく・・・実際の傷の多きさよりも大きく、体にグサッと刺さって・・・これってなんだ?と。

例えば、お店で誰かが傷つけてしまってそのままになっていたようなものを見つけても、それは新しい傷ともなんとも思わないだろう。でも、自分で傷つけてしまったということが、傷をより傷らしくさせている。

これって結構不思議で、傷ってのは"負う側"よりも、"つける側"の方が、強く傷を感じているんじゃないかと。本人は物理的に傷ついていないのに、傷つけた側が一番に傷ついている。

本当の傷の正体ってのは、これなんじゃないかと、ふと感じました。









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