「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離」リチャード・リンクレイター
哲学的な恋愛上級編な、そして今では、こういう出逢いも想いも、旅の仕方も、騙されることと間違えることを格段にかわすことができるようになった引き換えに、そして効率化を図った結果として、限りなく見えづらくなってしまった。
防犯カメラだし、SNSだし、検索できるし。何かを求めてただ出かけることも、何も求めずとも走り出すことも、スマホだけが適切な距離みたいな感じになってしまって。実は、みんな方向音痴みたいな、そもそもが狂っているという能力を持ってる自分に気付けないでいる。それが、あるとそういう映画みたいになるはずなんだ。
なんとなくで入ったり、なんのはずみでなにかすることも、今日が今のこれでしかないことも。明日には、ちゃんと明日というものがあることも。
続編の短編「ビフォア・サンセット」も見たけれど、これまた途中でどうなったのか?!が、わからないかんじ。その淡い恋の何かには、決して若さというわけではなくて、やっぱりその日だけみたいな、偶然性がすごい大切なんだなーと思える続編でした。実際の2人には、9年経ってるんだーというのが…撮影してからの2年後に後の妻となるユマサーマンに会ってるイーサン・ホークは、なんとなく映画の中でも、心あらずな感じがあって、言葉と表情としぐさがチグハグな感じが、映画の中だとして、それは結婚してる相手のことを考えてる演技なのか、素なのか…。
本当にガチに好きでの再会だったら、面白かったかも…!!