「聖なる鹿殺し」ヨルゴス・ランティモス
とにかく、バリー・コーガンの演技が、恐ろしく光ってました。なんでだろう?と思ったら、バリー・コーガン自身、お母さんをオーバードーズで亡くしたという過去があり・・というのを知って、その事実があの眼差しを生んでるんだと、そう感じました。
映画は、無駄のない音楽が、ずーっっと緊張感の糸を切らさないためにあるような感じで、効いてました。前半は、本当に薄ら怖い・・・なんなのか分からない、精神世界の、投影や転移みたいな、治そうとするとドツボにハマるみたいな、、、そういう映画のシーンってけっこうあると思うのですが。
なんでしょうか・・・?何が怖かったんでしょう。でも、復讐をするような感じで自分の子を・・・というのは、生贄文化のあるところであれば、すっと理解できるのかもしれませんが、そのあたりを「謎」とは何も感じずにすっとストーリーが流れていく感じに「はて?」と、ずっと付き纏う疑問は、そのままでした。
浦沢 直樹さんの「モンスター」に似ている怖さがありました。あれ、背筋が寒くなるほど怖かったなぁ・・・。