「八月の狂詩曲」 黒澤明



祖母と孫のというのは、どこでもこんな関係なんだろうか。
まるでお互いが、人としての関係というよりか、
家族というよりも、何か神が童子を育ててるような。

私の中の思い出とも重なる。
祖母はよく、戦争のことを話した。
祖母はよく、親からは疎まれていた。
私は、おばあちゃん子だった。
映画と同じく夏の間はおばあちゃん家に居た。
ご飯はたいそう美味しかったし、あんなに山奥でもなかったけれど、
あの時間を過ごしたことでのちのちにわかってくる色んなことと、
エンディングを見てて同じ感情を抱いた。

でも、そんなこと子供の頃にはわからない。
なんで、あんなに戦争の話ばかりするのか。
なんで、手を洗わないと凄い怒るのか。
なんで、泣いてても怒らないのか。
なんで、怖いのに好きなのか。
なんで、会いたくなるのか。

すごく大切なことを教えてくれる存在というのは、どこかで遠い存在な気もする。
どこかで、近くにいなくても、いつでもそばにいる気もする。

ここ3年4年が経って、いなくなった実感を初めて強く感じられるようになった。
それは、ほんにふとした瞬間。



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