殯の森 / 七夜待 河瀬直美
殯の森 / 七夜待 2つの作品を観た。
とってもシンプルにいうと、眠たくなる作品である。
実は、随分と前にこの2つともの映画は見ているはずである。
はずというのは、いつも映画を適当に見ることはしないので、
ちゃんとみている”はず”なのだけれども、
途中から、あっこのシーン見覚えがあると思い出しても
内容を全然覚えていないことに気づく。
「なにか森の中を走ってたなぁ… 」
「マッサージしてたねー」
ぐらいで。 今回、ストーリーが分かりました。
なぜ、こんなにイラついてるか。
なぜ、こんなにも感情の幅が振り切った瞬間の人ってのは愛しいものか。
それよりも何よりも、どこか意識が自然と遠のくばかり。
ストーリーというよりも、なにかこう意識が消えて体験を
映画に詰めて表現してるんじゃないかと思うくらい。
タイの映像作家のアピチャッポンをちょっと思い出したのですが、
アピチャッポンは映像の中でこの世界で大切な目に見えないものを
時間を使って撮ってる気がする。
河瀬直美の映像は、見ている人の心から意識を捨ててこうとしてくる。
それは悪いとも思わず、心地よいのである。
いい音楽を聴いていると寝てしまう。
そんな感じで、映画をつうじて私がスーッといなくなる。
それはなかなか体験できない極上だと思う。
別に面白くなくて眠くなるわけじゃない。
逆に面白くなくて寝てしまう映画では得られない透き通りがある。
「あん」を絶賛している人がいたので、
見てみようと思います。