「娼年」 三浦大輔




全編を通してセックス描写が続くと話題をよんだ作品。
舞台もしていたそうで、それもそれで凄い試みだなって思っていたのですが、
石田衣良さんの原作とあって、なるほど人が見えてくる作品だなと。

人それぞれに欲求はあるし、それが分からないままの人もいる。
ストレートに表現できないままに、こんがらがっちゃったり
自分でそう思い込ませてねじ曲げちゃったり。
それをそう腑にねじ落とそうとするのは、
自分の欲求とタブーの周りで興味を持っている時なんじゃないでしょうか。
それを真っすぐにできる時間、真っすぐに歩ける時間があるだけで
人ってこんなに可愛い生き物に還れるかと思えるストーリーでした。

しかもこの映画で、通貫していることは
「性」という単純快楽ということよりも、
「感」という人と人とがどう感じ合うか、という繋がりの方だと感じました。
女性が見たら「男性に見せてやりたい!」
と思う人が結構多いんじゃないかな?ってちょっと思えました。
それを見せた女性の思惑としては、
セックスの内面的なところを伝えたいけれども、
それを見た男性は、腰の振り方やオッパイに目がいくかもしれませんね 笑

そんなこんなを諸々わかっててのことよ。
気持ちいいとか、空しいとか、そういうところじゃない
違う階層で楽しんでいるのが娼年娼婦とお客の関係なのかな。
吉原で遊ぶのが「粋」な文化だった江戸時代とは
ちょっと違う、割とドロっとしたカタルシスのような映画でした。






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