「パターソン」ジム・ジャームッシュ






























ジム・ジャームッシュの映画作品は、どれも
知的でスタイリッシュで静かで、ものさみしい。
「パターソン」は、更に付け加えれば
意外で、愛情に溢れていて、節度があった。

何かそれっぽく、中身の追いつかないままの演出なんてのは
真似すれば誰だって、ちょっと良さそうな映画に仕上げるようにはできる。
けれど、彼の映画の中には"敢えて"の壊すような場面が入ってくる。
この壊し方には、私達が日頃気付けていない枠を
常に抱えていることを「そんなのいらないのに」と、
教えてくれるみたいな、そんな、とぼけた感がある。
壊そうとしていない壊し方が、そうさせている。

「パターソン」という彼を通じて、
ジム・ジャームッシュ本人が大切にしていることを
伝えようとしているのであれば、
それは「人生」を、素のままに見つめることだろう。

"レインコートを着たままシャワーを浴びる”
なんてことがないように。
でも、気付くとそうなってしまってるからね。
っていう啓示のように聞こえた。









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