「復帰50年 平良孝七展」沖縄県立美術館

 





NHKを見てたら「あっ!パイヌカジ」と、1枚の写真だけを見て、すぐに沖縄県美で見た沖縄の写真家の写真とわかった。2枚目に切り替わった時も、はいはい。と。間髪なく分かった自分、すげーと思いながら見ていたらどうやらその凄さは、全く自分ではなく平良考七の方だったと気付かされました。


山城千佳子さんは大好きな作家で、コロナ以前のあざみ野のトークにも行ったのですが、その山城さんが番組にも出てきて「平良さんの撮る人物には、地面が乾いたような、水がなくなったような、そんな、人なのかも分からないような。平良さんが、なにを見ているのかと思った時に、言葉にできない言葉なんだろう」と、そんなお話しを同じ沖縄人としてされているのを聞いて、ハッと、すごい見え方が変わりました。確かにそうだと。やまとんちゅとして、単純に沖縄の記録としても、いい写真だなと、もちろん昔からそう思って見ていたのですが、今回の展覧会を見た時の僕の感想としては「沖縄には、やりたいことじゃなくて、まず、やらなきゃいけないことが多すぎる」というものでした。そこから、うちなんちゅの山城さんの言葉と、平良さんの言葉が、時代が経ても尚、まさしく、山城さんの映像作品と同じように、同じ言葉として、同じ口から聞こえてくる感じが、今も変われぬままな、やるべきことのある沖縄なんだということを、突きつけられてる気がしました。そして、写真を撮るということをやっていた平良さんと石川竜一さんの今の生き方が、けっこうダブりました。


そして、冒頭の写真に限らず、出てくる写真をほとんどすべて僕は覚えていました。しかも、写っている人の表情や、格好、構図。見た時の記憶と強く全く同じなんです。それって、なかなかないことなので、ははー、さてはNHKの写真のチョイスが良いのかなー?とか、勝手に思いつつだったのですが、それは全く違ったんだと途中から思いました。つまり、平良さんの写真が、それほどに強いってことなんです。私が、記憶しようと思ってしていたわけじゃなくて、どの写真よりも強い。一度見たら、全くに強い。


すごい写真家だな、そして、その強さは、今も沖縄の作家が引き継いでいる沖縄の強さだなと。そして、色んな沖縄の写真家は好きですし、記憶にもありますが、それが1番強く感じるのは平良さんだったんだと、展覧会を見てからの数ヶ月経って思ったのでした。


なにか、平良さんの写真の記憶のされ方は、違う様です。



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