「メメント・モリと写真 ー死は何を照らし出すのかー 」東京都写真美術館

 



バーーーーっと見た後に、入ってすぐのホルベインの死の感じが、私の思う死のイメージにすごく近いと思った。見には見えないんだけど、ふとすぐ隣に死が一緒に生きていて、どんな選択の先にも遠かれ近かれ死が一緒にいるような。前に習っていた沖縄の三線の先生が言っていた、島人(というより沖縄古典の話だったかな) は襖1枚隔てて死があるような感覚でいるというそんな一緒にいる感じ。 


直接的に人の死を想起させるジャーナリスティックなものよりも、例えば、酷い犬の死や、エグルストンのただの車の方が、死を強く感じるのが不思議だった。


アラーキーの陽子さんや、牛腸さんのような若くして亡くなった方の写真を見ていても、私にはそれは全く死には映らないのも不思議。それは自分が勝手な変なフィルターをかけて見ていたんだと気づいて、あっこれは方程式的に言うと、「 (+死) + (+死) = −死 」になるんだという訳もなく覚えさせられた数学のような化学反応でした。(つまりは、普段は意識しないでいる認知を、しっかり意識して見てみると、それは実は違ったっていう感じ )


でも、メメントモリと呪文の様にフィルターが初めてかけた中で見たエグルストンの、ただの車を凄いイイなと思った。けっこうニューカラーの写真ってのの良さは全然わからなかったんだけど、初めてエグルストンの写真にグッときて、この企画の「死」の枠が無かったらそうは感じなかったと思う。副題の通り、死が照らし出されたもののように感じました。


アーバスのクリスマスツリーは、単純にすごく良かったなぁ。。。

あの、ちょっと怖く感じる変さったら。。。


これでもか!というぐらいに名作写真三昧な天国空間で、木版のホルベインの死が、私の中では、やっぱり凄くよかったです。

    

是非!東京都写真美術館


http://topmuseum.jp







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