「飛び立つスキマの設計学」椿 昇

 





椿さんについて知りたいと思い、特に考えずに手を取り読んでいたのですが「これは、すごい教育書だ!」と、途中から食い入ってしまいました。大切なこと、しかも私も同様に大切に思っているようなことの、もっと先をいった話がたくさんあり「対話型鑑賞」に出会ってから2年後くらいに対話をしていている最中、ふと「あっこれは素晴らしいことをしている!」と体を通じて理解した時と同じくらいな、そんな感動がありました。


「僕の考える教育の背景は「対話」に尽きる」と、いう言葉にもハッとしたのですが。・・・時々そういう時があります。いつものように当たり前に対話をしていると、対話がベースになってなり特に対話の状態を意識しなくなるのですが、対話の大切さを真っ向から語っている話を見聞きすると、こそばゆい気持ちになります。というのも、対話は素晴らしい!と、私ももちろんそう思ってますが、真っ向から言えないタイプなので、誰かが代弁してくれているのが、少し恥ずかしい気持ちに近いでしょうか。

  

「教育の現場では、教えることも重要だが、対話のなかで「聞き出す力」が鍵を握ってる。相手が自分でも気づかない世界にたどりついて、自然にそれを語れるレベルまで付き合えれば最高だ」


ほんとに、これは対話型鑑賞ファシリテーターそのままだとも感じながら、”公案”という禅のシステム = 悟りの境地が得られたかを確認するために用いる問答のこと。の話も、本当にその通りだと思いました。つまりは、同じ言葉を発していても全く違う意味になる。同じ意味で使っていても、それは違う意味にもなる。という、言葉表現の発する、発される身体性の面白さでしょうか。


「日本の未来をつくるイノベーションを目的とするならば、答えのない問いをもらって脳を、悶々とさせ、非論理を、自在に操る公案の手法に関心を持つことは重要だろう。」


「最も重要なことは「抽象化」された答えのない事象をいかに身辺に導入できるかどうか。」








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