「ギョ」 伊藤 潤二


「潰談」を、見てからでよかった。
蚊側からすれば、そうだそうだ!と。
日頃食べられてる「ギョ」からすれば、まーその日もあってもいいんじゃないかと
おも…えないくらいな、変に淡々で、
「油度」とか、「ファッションモデル」のふちさんとかが頭にチラチラすると、
なにか狂気の元に逆転する様は、
その人が別に弱い訳でもなく、自分が狂気なんてのは、
そう受け取っている人ほどは思ってもなくて、
同じく強い立場の人が必ずしも強いわけでもなく、
かといって、戦ってるってわけでもないんだけど
負けようと思っていると負けてしまう。
そして、突然に勝とうと思えばそれはそれで勝ててしまう。
だから、時には勝ってもいいよね、私と。
「案山子」とか、「橋」とかも、チラつくと、そんなに全部が悪いもんじゃない。
臭さとか、不気味さとか、不思議さってのは、
可愛いとか、かっこいいとか、素敵と同じくらいに心が動くもので。
それは例えば、ギョが出てきたことは実はそんなに怖くなくて、
逃げることが怖くて、叫ぶことも怖くて、
「富江」の笑みに対して反応して笑い返して近寄ってしまうことは、淵さんに対してやってる反応と同じで、
人は、こんなことばかりしてしまってるんじゃないかっていう。
ギョが来ても、そんなことをしてしまう。
例えば「あっ!久しぶり!海底で元気だった?」なんていう反応もあってもいいはずなんだ。
そしたら、世界は平和だ。
臭くて、嫌われるものだから鼻をつまむという反応は、実にフェイクなんだと。
ナウシカとかって、きっとそうだよなぁと。

にしても、ただしくん。

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