「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 」スタンリー・キューブリック



なんて終わり方なんだろう。
世界残酷物語のmoreで終わったようなメロウな、some sunny day。
いつどこでかは分からないけど、また必ず会いましょう。ある晴れた日に。
と、水爆のキノコ雲をバックに。。。
今のコロナにも合う歌詞で、巻き戻してくりかえし見てしまいました。
ここでも大林監督が、恐ろしい原爆をより美しく描いて、
嘘から出た真をよりフィクションに、リアリティに描いていたことに繋がった。
恐ろしさと美しさはなぜ、相性が良いのでしょう。。。

美しさは時に残酷。恐ろしいほど美しい。

特典映像をみると、このエンディングは、ケネデイー大統領暗殺事件があり変更となったそうで、
本当にパイ投げのエンディングじゃなくてよかった…!
でも、それはそれで歴史に残る映画になっていたんでしょうね。
ロリータを見てみたくなりました。

冷戦はColdではなくてHot だった。
映画と同じく、いつ誤解や聞き間違えから核が落とされてもおかしくない、というのは現実だった。
人がいつ地球ごと壊してしまうほどの核を使ってしまってもおかしくない。
1993年に非拡散防止条約から脱退した北朝鮮。そして、今のこと。
そう思うと、戦後75年の”後”というのはどこか正しくない気がしてくる。

植え付けられた訳でもなく、アルファベットが何故かかっこよく思えてTシャツを着たりするのも。
チョコレートにチューイングガム、戦争の話との関係なのかもしれない。

クリスマス島での水爆実験を、訳もわからず見学した若いイギリス兵は、爆心地から近いにもかかわらず
軽装で爆発の瞬間、自分の身体の骨が透けて見えたという。原爆はなにも日本のことだけではない。

映画はジャーナリズム。
多くの知らないことを大林監督の映画から、そして水木しげるさんのラバウル戦記からも。
そのラバウルの単語を教えてくれたのは、私のおじいちゃんで。

ダモイ、ウラジオストック。収束焼夷弾、ナパーム、ビンタ、ゲートル。
その1つ1つが、決して他人事ではなくなってます。

「何百年も何千年もしたあとから振り返れば「なんて愚かな時代だったんだ」
と言われる時代なのかも」と。未来から振り返るような特典映像コメントは面白かった。




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