石川直樹 「この星の光の地図を写す 」


石川直樹

「良い展覧会だった」そんな感想をきいて見に行ってきたのですが、
「よかった! 」
ここはパタゴニア?モンベル?と、思わず感じるくらいに登山・旅なのですが、
それが石川直樹は写真家だ!と、言われるよりも心地が良くて 
石内都の「肌理と写真」の展覧会を見た時に、
あっやっぱり石内さんは染織の人で、写真は剥がれていくような肌や角質や、
折られていく織物かと、改めて根源に出会えたような同じ、
1来館者として写真を写真と感じなくさせてくれるような幅広い嬉しさがあった。


写真の1つ1つは、例えば旅をした時に
持ち帰ってきたいと思うような共感性の高い光景で、
しかも詩人のような言葉が、合間合間にありつつ、とがってない。 
でも、どこかとがってる。 
いや、とがっちゃいない。 
うんにゃ、そんなことはない。 
本人がとがってる人で、展覧会が丸く見せているのか? 
それとも、なんだろうか?ってずっと考えさせられて、 
確実にセンスの良さが常に光ってるんだけど、
それがそんなに嫌にならないのは 単なる装飾ではなく、
用途を追求され作られた登山や旅の道具の必要最低限に軽量化された美しさが、
命に関わってることだからなんだと思った。 
それだけじゃなく、 ここって時のバロメーター(極限な時には、案外、
歌うことだったり、笑えることが何よりも生きるのとにつながったりする)として、 
彼なりの世界とのルールが、 理にかなってる点かと思った。  

石川直樹に憧れる人は多いと思う。  

でも、 なんかいい。 と、買い集める登山グッズと、 
なんかいい。 と、撮りまくりがちな写真。 
そことの大きな違いは、石川直樹の旅と写真の根っこには本があり、 
一緒に見に行った人は「冒険家って謙虚だねー」と、言っていたけど
どこか、人が驕ってない感じ。
ざっくり言葉にすると、何か世界との制約の元で撮っている。
そんな風に感じました。



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