「写真の読み方」 名取 洋之助
生物=魚と同じようにすぐ古くなり、干物になる。記録と感じるだけで、もう過去のものと思う。
地形図にしたって、地図を慣れ親しんでいるものにとっては、あらゆる有用な知識の宝庫である。それを、言葉に翻訳しようとするならば、たいへんな仕事である。
“感涙にむせぶナイン”の優勝した高校野球の新聞には、感激的な写真を使う。一人くらいドライで平気な顔もしていても良さそうなのに。日本の観光もそう、固定にハマった日本を探して、読者がそれが日本だと思うように、そうしないと、そう思えないから。
ピントの話(カメラは現実よりピントが合いすぎてる) 実際の世界ではない。写真は嘘。
ライフは、あたかも図解として写真を利用していた。一週間にこれだけの皿を洗う→皿を山のように積み上げる。という感じで。文字も読まなくても、伝わること。
岡本東洋。美術用資料として、花鳥風月を配布していた。展覧会には、それを模写したような同じ絵が何枚も。
ルイス・ハイン
ファミリーオブマン展は、保険の広告やら科学写真まで、さまざま。バウハウスは、同じ時に撮られたものの中から、1枚の秀れたものを選び出すことが、一つの芸術。スタイケン。
サロン=絵画展からくるもの。
大学に入れず。「外国帰りを珍重する日本のことだから、なんとか使いものになってくれるだろう。」という父の会社があるドイツへ。
博物館が大火災で、工芸が焼けてしまった。燃えてる瞬間を一度持っていったが、もうあったから突き返された。けど、帰りに作家が掘り返してるところを、撮ったエレナの写真が、採用。
テーマが面白くても、扱い方が面白くなければいけない。どんな写真を読者が求めているのか。
「日本のようにおかしな義理人情で仕事をするのより、できた仕事に自分を賭けてゆくビジネスの世界の方が、自分の腕をとことん磨ける」
ベルリンのウルシュタインの契約写真家は、マーティン・ムンカッチ、燕尾服のドクター・ザロモン。彼はユダヤ人で、収容所で生命を落とした。
( きちんとした服装と、礼儀、テクニック )
名取さん、真面目なんだなぁ…それが写真に出てる。
ムンカッチのポタージュ・スープと呼ばれた独特の印刷原稿用紙と、きれいな印画紙の2種類。
アイゼンシュタット ライフ雑誌
そこから、ステレオタイプな日本のイメージを変えたいと、光画に、つなげて、活かしたいと始めたのが「ニッポン」