「ルックバック」 藤本タツキ / 押山清高
「いいよ!」という話も聞きつつ、劇場で見逃してしまったのを、「amazon primeでやってるよー」ってので、見ました。
勝手に「もう絶対、耳をすばせばじゃん」って思っていた私は、前半でも「やっぱり耳をすばせばじゃん」と、思いながら、でもこれは、絶対的に尊敬を意味するオマージュなのだと確信もしていたのです。それは、細田守監督の「未来のミライ」で見た、ジブリへの現代版敬意みたいなところで。こんなにも、シンプルに尊敬の意を自作に入れるのは、とても清々しいとさえ思ったのです。
そして、そこからの展開はもう全く別物で。おーっなるほどに、みんなが言っていた「頑張っている姿」は、これかと。
ひょんなところで、今GIBINを聴いているけど、ほんと「背中を押してくれる」っていう感じの度合いで、こんなにガムシャラに向き合える何かを見つけたら、人生すばらしいものだと。
と、同時にマンガも、社会に組み込まれてのそういった大変で生み出す辛さを送る生活ってのは、どうなものかとも。でも、表現者はつねに、何かギリギリな崖っぷちなところなほど、研ぎ澄ませるようなところも、古い価値観からすると、あるのかもしれないから、、、それは、マンガ家にとっては、ある意味で有り難い環境なのか・・・とも。
背中(バック)を押されることと、そういう戻れない(バック)環境にいることを考えました。
でも、きっと良き映画なのだと思いました。エンドロールは、ちょっと過労気味ですが、それでも居た堪れない感情や気持ちを吐き出せる場がある主人公は、ある種の生きていられる幸せを噛み締めるのだと思います。