「ウィトゲンシュタイン」デレク・ジャーマン




映画って本当に、たくさん見て掘っているつもりでも全然知らない。
デレク・ジャーマンなんて、初めて聞いて、見てみたけれど、 なんという…!!
  1番の衝撃は、オープ二ングの字幕が流れてるあいだに、
 セリフがポツポツと入って来るところ。
そのセリフが「間違ったことでも、堂々と自信をもって言うことは大切だ」
みたいなとても哲学めいた… といっても、
ウィトゲンシュタインは哲学者で自伝的な映画だからそのままなのだけれど、
映画そのものというより、映画の捉え方って、監督それぞれ色々あって面白い。
一般的に大きな映画館に配給されてる”映画”は、起承転結があって、
泣けたり、笑えたり、驚いたり、怖かったり。 何か、ストーリーを感じる。
みんなストーリーを求めて見に行く。 暇つぶしかもしれないけど。
でも、よく分からないけどすごいってものは世の中にたくさんあって、
デレク・ジャーマンは、まさしくそんなところだ。
BLUEというずーーーーっと(イヴクラインの)真っ青な映画は、
 さすがに15分ほどで、じっくり最後までは見られなかった。
それは、ジョナスメカスの5時間とか6時間の映像も同じで、
映画を観るという対象から巧妙に外したところにある表現をしてる、
そんな気がしました。  1番に感じたのは、ゲイとしての苦悩。
アンディ・ウォーホルが、老いと病に恐怖を覚えたけれど、
デレックジャーマンは、個人としてではなくて、
ゲイとしての苦悩みたいなものを、公に変換させてやってる気がした。
だから、映画は狂気じみてるけど、やってることは、
どこかクールで、達観している。




人気の投稿