青年団 平田オリザ・演劇展 「忠臣蔵 OL編」





「50番~の整理券をお持ちの方どうぞー」 と入るとすでに、舞台に人がいる…!! 
そんな舞台上の準備がすでに”本番”な状況に、観客席のこちら側も舞台のように感じた。 
見る前の準備をしている時間を、舞台側から覗かれてるようなそんなソワソワ感。 
自然と舞台で始まる本番に、客席にも本番があるのだと初めて感じた。  

殿が切腹されたことをきっかけに、これからの身の振り方をOLが
御家老と一緒に考えるのだけれども、 
その話し合いのまとまらなさ以上に、
OLそれぞれのキャラがリアルでウケました。 
ノンフィクションよりもよりノンフィクションなフィクション。
特に、お茶がこぼれてしまいそうになるシーンが僕にはツボでした笑 
舞台のセットの備品のリアルさも、見ていて嬉しくなるほど。

オリザさんの演技指導は、コンマ単位でセリフを早く遅くとか、
声のトーンの指定も事細かいらしい。 
全員でいう☆セリフのカ所があるのも特徴的だと。 
たしかに劇中、全員で言ったり、
超絶なタイミングなバラバラさ加減が、理路整然としていたりする。
それは職人が皮膚感覚で、定規よりも正確に寸法が分かるような
そんな、ちょっと測ることのできない、目に見えない空気みたいな
基準をオリザさんが持っていて、
それを伝えやすくするのに言葉や数字があるだけのことだろうと思えた。
漠然と「もっと感情的に」とか言われても、分かりにくいですもんね。

オリザさんのことをちゃんと知ったのは青学WSDワークショップの講座でした。
演技の上での言葉以外の空気感を伝えるコミュニケーションって、
ワークショップの大切にしていることと同じなんだろうと。
それより何よりやっぱり演劇の生感は面白いなと、演劇を見るといつも思います。
ワークショップも生物。
テニスの試合とかは、緊張しまくりでとても苦手なのですが、
人と人とが実際にいるということで生まれる空気はやっぱり
いくらAIの時代が来たとしても、代えることができないものだと思います。












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