「さびしんぼう」大林宣彦監督



2014年に「この空の花」を長岡の劇場で観て号泣をしてから、
公開初日には必ず舞台挨拶を見に行くばかりか、
クランクアップ後の倉庫片付けだけの為に、ロケ地の唐津まで行くほど
私は、大林宣彦監督の大ファンです。
作品は8ミリフィルムのも含めて一通り観て、どれも心を鷲掴みにされるのですが、
特に「北京的西瓜」と「風の歌が聴きたい」の、
何気ない中で人と人との間で起る、
人間味あふれる当たり前のようにも見える奇跡にグッときます。

大林監督といえば尾道3部作で「さびしんぼう」はかなり有名なのですが、
実は私には、あんまり記憶に残ってなかったりします。

昨日、改めて見直して、
記憶から消えている理由を改めて「そーだった。」と思い出しました。
それは、母親からの恋愛感情が息子へモロに投影されているからでした。
家族ってこんなもん?!と、
その点においてのみ、ほんとコンプレックスでしかないのですが、
よくある映画じゃあ、キレイにそれっぽく映画風に
飛ばされてしまいがちな、禁句のように存在するリアルなところを
そのままではなく映画という嘘のような世界だからこそ、
本当のことをもっと"嘘っぽいリアル"に描いてしまえる大林監督に、
やっぱりグッとくるわけです。

「恋すると人は誰しもが、さびしんぼうになるのです。」
輝かしくも傷ましい自分の少年時代に捧ぐ作品なんて、
「わかってるわい!」と
言いたくなる自分の中にある恥ずかしさすらも、
この映画を見るとキュンと打ちのめされてしまいます。









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