「石の微笑」クロード・シャブロル

フランス映画 シャブロル 石の微笑


石の微笑という日本語訳のタイトルが
映画全体をそう観させてしまっているのが残念な気もしますが、
言語的には「花嫁の介添人」が直訳のようです。

そういうタイトルなのか、と後で思ってみたとしても、
運命の人を直感で思うってのは、
何かにつけて危ないってのが良く分かる(?)作品と、そのままに思いました。
母の運命の人(仮)にしても、娘の運命の人(仮)にしても、
本人にはどこか、何か違う、陰があるような関係だと分かっていながらも
惹かれてしまう。
常に、何か人の心を寄りどころにする危うさがチラチラしていて、
それは映画と呼ぶよりも、実際の生活に近かったりする。

そして、ここで出てくる話は全て恋愛なんだろうと思った。
愛をもって、無謀な難題を突きつけられるのも、
どこか愛を天秤でかけているのではなく
土俵としては「恋愛」の遊びのように思える。
深刻なようでいて、どこか甘くてやっぱり、フランス映画っぽくしっとりしている。
フランス人が逆に日本映画をみて「WABI-SABI」と、
特に関係なく感じる何かがあるように、
日本人の私がフランス映画を見るとどうしても
「オ〜ジュテーム」「C'est la vie! 」みたいに感じてしまうのは、
それほどに"ストーリー"がなかったという証拠とも言えるかもしれない。
それでも、この映画に2時間どっぷりと惹かれてしまうのは、
監督が映画を「愛」している。
そのことだけは、恋愛ではないと伝わってくるからです。

( もちろん、フランスの恋愛観と日本の恋愛観、
 「ジュテーム」と「愛」は、タイトルの翻訳のように
   イコールにはならないのですが。)














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