「民具これなーんだ? ―民俗学者・宮本常一が美術大学に遺した民具コレクション」 武蔵野美術大学 美術館・図書館
タイムリーに宮本常一先生の展示があったので、これは・・・!と。武蔵野美術大学は、むかーしに訪れたことがありましたが、美術館は行ったことがありませんでした。想像以上にものすごく美しい美術館でした。
と、武蔵野美術大学教授のオファーを受けた際のお返事の手紙。現物の直筆に胸が熱くなりますが、この言葉の熱意についてくれる学生は当時どれほどいたのでしょうか。そして今の学生でも、どれくらいいるのでしょうか。( 神崎 宣武さんという方が、在学中の一番弟子だそうですね ) https://note.com/honno_hitotoki/n/n045f52c03c65
「笑い声と咳以外、言葉を全部カタカナでメモしろ」と命じられました。「カタカナは速記より楽なんじゃ」ということでしたが、大変でした。
とは、すごいですね 笑 メモするととで理解が深まることってあると思うんですよね。その音声データとして録音するとか、パソコンで書き込むよりも、もっと身体的に進藤するような・・・・。
神崎さんの本もぜひ、読まないと。
展示されている民具を見て、これってなんだろう?って、展覧会タイトルそのままに思う ( 思わされる展示の仕掛け )。種明かしのように裏面に回るとそれぞれ1つ1つ丁寧な説明が書いてあり、自然と知的好奇心がそそられてとても勉強 (展示方法も) になります。
鼎 (かなえ)・・・
儀式で使われていた鼎の日本では珍しいものだそうですが、このフォルムが私はなんだか好きで眼に止まりました。理科の実験の三脚とも同じで、やっぱり火を使ってなにかしらの儀式をしたとしか思えないですよね。人は二本足、動物の多くは四本足。三本足の動物はいないからこそより呪術的に映るのでしょうか。
笊(ざる)被りの犬・・・
どこか都心のおしゃれショップでもよく見かけるこの犬と笊。"竹"の字に"犬"を合わせると「笑」に似ていたところから、安産や子供の健やかな成長を願う笊被りの犬だそう。そして、笊の編み ”目”!なーるほど・・・。目で魔除けとは・・・!そんな意味があるとは知らなかったし、いつも、由来を覚えてはすぐに忘れてしまいます。"チャグチャグ馬コ"も"赤べこ"、体験がないから、いつも意味が抜け落ちてデザインだけ残ってしまう・・・。
“失われる文化をつなぎ留めたいという熱意から、いまでは入手困難な貴重な資料が集積されています。しかし現在は、それらの民具を未来にどう継承するかという保存の問題に直面しています。”
こんなに良い展示をする大学ですらそうなのかと。金銭的な価値も見出しているアート作品や古美術、そして絶対的な歴史の1ページとなる博物館の所蔵品と比べると、保存する環境やスペースなども含めて色々と悩ましい部分が民具にはあるのでしょうか。きっと量が比べものにならないくらい多いのかもしれませんし、継承という点で価値をどう付けていくかという・・・・
9万点あまりとは、目録のリストの1ページを見るだけでも管理の大変さがうかがい知れます。
全ては、この「見立て」を軸とした展示の流れだったのか (!) と思うくらいの展示構成でした。つまり、自由に自分なりの解釈で民具を見てみて、まずは気づいてほしい。書物にばかり埋もれていたら、そういったキラキラした心は盲目になってしまうから、直感に知識を肉付けをして、さらに研究をしてみなさいというような。そんな宮本さんからのメッセージと受け取りました。




