『 この絵をみて、どんなことを感じますか? 』



先日の対話型鑑賞で、この作品を鑑賞してみました。

「この2人は親子じゃない」
「ここはこの女性の家じゃない」
「ここはこの子供の家じゃない」

という意見が出たので、話を聞いてみると

「子供の服装が外へ出るような服だから
 何か用があって、ここを訪ねたんだと思う。お手伝いさんかもしれない」
「親子の場面を描くんだったら、こういう描き方はしないと思う。」

という。
なるほど。と、私も一緒になって見入ってしまったのですが、
確かに見れば見るほど、何かどこかこの部屋がお手伝いさんの部屋で
そこへお嬢様が何かをお願いしに来ているようにも見えてきました。

自分1人だけで見てみても、そんな風には見えなかったことが
そう見えてくる。それが対話型鑑賞の醍醐味でもあります。

さて、では本当はなんだったんでしょう?
と、調べてみますと・・・


《食料貯蔵庫の女と子供》ピーテル・デ・ホーホ 
召使が金髪の男の子に飲ませようとしているのは、離乳のためのビールです。


お手伝いさんと子供の関係は、正しくそうだったのですが、
なんと、女の子ではなく、男の子(!)でした。
肩章と金のボタンが男の象徴のことです。
しかも渡しているものが、離乳のためのビールなんて、驚きですね!!

事実を知ることってとても大切ですが、
それまで「本当はどうなんだろう?知りたい!」という
そういう知識欲のプロセスを踏むことが
記憶に深く定着する知識に繫がるんじゃないかと、思っています。

「 あなたのはどう見えますか? 」











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